ひと
PEOPLE

泉北ゴールドタウン

西恭利|企画代表

街から街へ、ひとりバイクで旅をした若いころ。
それぞれの街の風景や出逢う人は、それぞれの色を持ち、自分の印象や原体験として記憶に残る。僕にとっての原風景はどこの街なんだろうか、ふと考えることがある。
生まれは和歌山、巡り巡ってたどり着いた泉北ニュータウン、最初は特にこの街が好きだとか、特別な思いはなかった。でも子供たちと暮らし、日々の生活を送っていると、ひとつ大切なことに気づく。子供達にとってこの街の風景が原風景となるということ。
時代は、少子高齢化。この街も例にたがわず、そんな波が打ち寄せる。また、それと同時に発生する空き家問題。自分が暮らす街として何とかしたいとう気持ちが強くなる。そして、自分の暮らしの中で豊かさとは何だろうか、豊かさを追求し続け、もう飽和状態になったようにも見える時代。また建築技術者として、個々の家の良い部分を引き出すプランを考えると、外への広がりを求め、家の中だけではなく外とつながる暮らしを想像する。
ここ泉北ニュータウンは、農が近く、またすぐそばに公園や緑道が張り巡らされ、住環境としては抜群の資源を持っている。日々の暮らしの中で、泉北の緑豊かな「ソト」が新しいつながりの場となることを目指し、泉北で育った野菜を使った「泉北カレー」を皆で囲みながらソトメシを楽しむ。新しい出会いやこれまでの出会いを育てる場がまちのあちこちに溢れ泉北が魅力的な住みかとなることを目指す。
『豊かな暮らし』というものは、こんなものかもしれない。
小さな志がきっかけとなって生業となり、街の中で点として生まれ、それが線となって、やがて面となって地域を変えてゆく。放っておけばゴーストタウンになりかねない街。ちょっとしたきっかけ、ちょっとした志で、そこに住む人が地域をゴールドタウンに変えてゆく、それぞれの『ふるさと』のために。建築技術者として、一住民として、カレーのおじさんとして、そしてこの時代を生きるひとりとして。挑戦はつづく。